2021-04-15 Thu
日本競馬史上空前絶後となる白毛馬によるクラシックレース制覇が果たされた今年の桜花賞。その中身についてしっかりと触れようと思います。1着・ソダシ(父クロフネ)
2着・サトノレイナス(父ディープインパクト)
3着・ファインルージュ(父キズナ)
(予想記事・2021年のレース予想・6 「第81回桜花賞」(◎メイケイエール))
※「ソダシ」が持つ凄いもの
ラップタイム・12.1 - 10.8 - 11.2 - 11.1 - 11.6 - 11.2 - 11.2 - 11.9
レースレコードを1秒以上更新し、コースレコードも更新していった今年の桜花賞。時計面については馬場による影響が多分にあると思われ、あまり深くは言及しませんが、昨年に続き、無敗馬による桜花賞制覇が果たされました。
その上で、勝ったソダシはクロフネ産駒初のクラシックレース優勝馬となりましたが、昨年のデアリングタクトと同様に母父キングカメハメハの競走馬でもあります。母父キングカメハメハの競走馬がG1馬になったのはソダシで6頭目ですが、父が現役時代に日本を走っていた馬はソダシの前には3頭おり、いずれも初のG1制覇後に別のG1で3着以内入線、もしくは更なる重賞制覇を果たしています。阪神ジュベナイルフィリーズで初G1制覇を果たしていたソダシは今回の桜花賞においてその流れを継承した形になりましたが、母父キングカメハメハの競走馬でクラシックレースを制したワグネリアンとデアリングタクトはG1制覇後は古馬と対戦するまで無敗を貫いており、2年連続無敗の3歳牝馬三冠馬の誕生が見られるかもしれません。
また、ソダシの父クロフネは日本のクラシックを勝っていない馬ですが、阪神競馬場が今の形にリニューアルされてから開催された2007年以降の桜花賞としては、父が日本のクラシックを勝っていない馬による勝利は2008年のレジネッタ、2018年のアーモンドアイに3頭目となります。レジネッタはオークスで3着、アーモンドアイは3歳牝馬三冠馬となった上で日本競馬史上最多のG1級レース勝利数を持つ馬となりましたが、レジネッタは桜花賞前の重賞勝ちがなかったのに対し、アーモンドアイはシンザン記念の優勝があった馬で、桜花賞前に既に重賞を3勝していたソダシはアーモンドアイ以上の逸材である可能性を秘めていると言えます。
◎・メイケイエール(18着)
レースにおいては基本的に先頭に立たない気が済まない馬で、戦前からその気性に対して不安視されていましたが、スタートで出負けをするとそこから他馬に構わずに前進気勢を見せ、3コーナー過ぎに先頭に立ちました。そこからもほとんどペースを落とさずに最後の直線を迎えたものの、直線に入ってからは全く追うことなく後退していきました。レース後に平地競走再審査を課されることが発表されましたが、今回の内容からして今後も競走馬としての走りができるかは懐疑的な見方をせざるを得ません。
キルトクール・アカイトリノムスメ(4着)
ソダシと共に金子ブランドを担っていた1頭で、母子二代桜花賞制覇の期待をかけられていましたが、レースではソダシを前に見る形で進めていったものの、少しずつソダシから後れを取るようになり、最終的には0秒2差の4着に敗れました。5着馬に対しては3馬身差をつけており、現状では上位4頭が世代の中で頭一つ抜けていて、その上で、上位2頭の脚力や成長度がさらに上を行っているように感じられますが、父も母父も日本ダービー馬ですし、何より母自身が3歳牝馬三冠馬なので、オークスで巻き返す可能性は非常に大きいと見ています。
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2021-03-29 Mon
8年ぶりに1戦1勝の馬が勝利した君子蘭賞。当ブログではそのキャリアを持っていた2頭に対して本命とキルトクールの印を打ちましたが、勝利を収めたのは本命に推したニーナドレスでした。1着・ニーナドレス(父ハーツクライ)
2着・テーオーラフィット(父リオンディーズ)
3着・マリアエレーナ(父クロフネ)
(予想記事・2021年のレース予想・5 「君子蘭賞」(◎ニーナドレス))
ラップタイム・12.9 - 11.6 - 11.9 - 12.3 - 12.8 - 12.4 - 11.5 - 10.8 - 11.4
◎・ニーナドレス(1着)
今年に入って初めて本命に推した馬が1着になりましたが、父方にハーツクライの血を持つ馬で阪神芝1800mのレースを制した馬というと、昨年のホープフルSを制したジャスタウェイ産駒のダノンザキッドや一昨年の春秋グランプリホースであるハーツクライ産駒のリスグラシュー等がおり、将来有望と言えそうです。その上で、ニーナドレスはシュヴァルグランでハーツクライ産駒によるG1制覇の経験がある友道康夫厩舎に所属しているので、ゆくゆくは2021年のクラシック世代を代表する競走馬になるかもしれません。(単勝320円、複勝140円)
キルトクール・ルージュアリュール(10着)
1着から4着まで1分47秒台で走破し、9着に入った馬まで1秒以内の差に収まっていましたが、最下位に沈んだルージュアリュールは勝ち馬から1秒2差で、9着馬との差も2馬身半でした。今回のレースにおいて体重減のあった馬は2頭いたのですが、そのうちの1頭がこの馬であり、もう1頭の体重減のあった馬も9着馬とハナ差の8着なので、成長力の差が出た敗戦という趣があります。
2021-03-18 Thu
1着から6着まで0秒2差の拮抗した争いになった今年の金鯱賞。紅一点ながらG1・3勝の実績を持つデアリングタクトが差し切れずに2着に敗れる中で勝利を収めたのは、3歳時に金鯱賞と同じ中京芝2000mの重賞である中日新聞杯を勝っていたギベオンでした。1着・ギベオン(父ディープインパクト)
2着・デアリングタクト(父エピファネイア)
3着・ポタジェ(父ディープインパクト)
(予想記事・2021年のレース予想・4 「第57回金鯱賞」(◎グローリーヴェイズ))
ラップタイム・13.0 - 11.5 - 12.6 - 12.4 - 11.9 - 11.7 - 11.9 - 12.1 - 11.9 - 12.8
◎・グローリーヴェイズ(4着)、キルトクール・ペルシアンナイト(8着)
今回、”二大要素”に該当していたのはグローリーヴェイズ、サトノフラッグ、ペルシアンナイトの3頭のみで、サトノフラッグに関しては完全無視を決め込んでいたのですが、結果は3頭全て4着以下に敗れ去りました。優勝馬輩出のデータのみで印を決めていたのも大概な話ですが、実のところ、2014年から7年連続で連対馬を輩出し続けていたのが”芝2000mの重賞勝ち馬”で、これに関しては勝ったギベオンも該当していました。また、”芝2000mの重賞勝ち馬”をもう少し見ていくと、出走馬が10頭以上だった時の金鯱賞においては4回連続で勝っていたのが”3歳時に芝2000m重賞を勝っていた馬”で、これに関しては連対した2頭とサトノフラッグしかいなかったので、もう少し踏み込んだ予想をしていればギベオンへの狙いは立てられたと言えます。
2021-03-11 Thu
昨年まで5連覇していたディープインパクト産駒が不在の中で行われた今年の弥生賞。その勝者となったのは、今年の3歳世代が初年度産駒となるドゥラメンテ産駒のタイトルホルダーでした。1着・タイトルホルダー(父ドゥラメンテ)
2着・シュネルマイスター(父Kingman)
3着・ダノンザキッド(父ジャスタウェイ)
(予想記事・2021年のレース予想・3 「第58回弥生賞」(◎ワンデイモア)【一部加筆有・3月8日更新】)
ラップタイム・12.7 - 11.6 - 12.4 - 13.0 - 12.9 - 12.6 - 12.3 - 11.6 - 11.0 - 11.9
◎・ワンデイモア(7着)、キルトクール・タイムトゥヘヴン(6着)
1着馬のタイトルホルダーと同様に祖父キングカメハメハの馬で固めた今回の本命馬とキルトクール。結果として、デビュー戦を勝ち上がった上で次のレースでも連対した3頭によって上位を占められる形になりましたが、重い印を打った2頭はこれといった見せ場もなく敗れ去り、タイムトゥヘヴンに関しては京成杯で先着したテンバガーにも逆転を許す有様でした。重馬場で行われたここ2年が異例だったという趣もありつつ、基本的には11月までの2歳重賞まで大敗知らずでいるか、2歳時は2000m未満のレースを使い込んだ上で好成績を残しておくというのが、弥生賞のコンセプトと言えるのかもしれません。
2021-02-10 Wed
過去にオープンクラスのレースで3着以内に入った実績のある馬によるワンツースリーとなった今年のきさらぎ賞。その頂点に立ったのは、阪神競馬場で行われた京都2歳Sで2着に入っていたラーゴムでした。1着・ラーゴム(父オルフェーヴル)
2着・ヨーホーレイク(父ディープインパクト)
3着・ランドオブリバティ(父ディープインパクト)
(予想記事・2021年のレース予想・2 「第61回きさらぎ賞」(◎ショウナンアレス))
ラップタイム・13.1 - 11.6 - 12.7 - 12.0 - 11.8 - 11.9 - 12.3 - 11.9 - 11.5 - 12.2
◎・ショウナンアレス(6着)、キルトクール・ジャンカルド(9着)
今回の上位3頭は冒頭でも触れたように”過去にオープンクラスのレースで3着以内に入った実績のある馬”でしたが、いずれも日本ダービー馬を父に持つ馬でもありました。ディープインパクト産駒がクラシックで走るようになった2011年以降、ディープインパクト産駒によるきさらぎ賞制覇は5回あり、2014年から7年連続で連対馬を輩出し続けていたので、日本ダービー馬の血を持つ馬が優位に立ちやすい側面はありましたが、今回は本命馬もキルトクールもどちらも日本ダービー馬の産駒ではない馬を指名しており、少々無理のある選択をしてしまったと反省の弁を述べておきます。