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まつり駿楽

Author:まつり駿楽
血統、ベストパフォーマンス、実績の関係性を重視した競馬予想とクラシックの展望などをしています。2012年2月3日よりキルトクール株式会社の神官として入社し、twitterやmixiを密かに更新中。fc2小説ページにて執筆活動も展開しています。

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ちょっとした父系考察
約1ヶ月ぶりの新記事となりましたが,今回の記事は血統の考察。今の日本競馬において巨大勢力を誇っているサンデーサイレンス,ブライアンズタイムの成功の裏にあるものを,ノーザンダンサーなどのその他の父系を見ながら探っていきます。






◎父系の形

欧州

差し,追い込みが得意,基本スペックが長距離寄り,東京や京都といった広いコースを好む

サドラーズウェルズ(Sadler's Wells)などに代表される多くのノーザンダンサー系,グレイソヴリン(Grey Sovereign)系,ネヴァーベンド(Never Bend)系,リボー(Ribot)系,レッドゴッド(Red God)系など

米国

逃げ,先行で本領発揮,基本スペックが短距離寄り,ダートで中心視

Danzig系,ストームキャット(Storm Cat)系,デピュティミニスター(Deputy Minister)系,テディ(Teddy)系,ネイティヴダンサー(Native Dancer)系,ボールドルーラー(Bold Ruler)系など

日本

ディクタス,ノーザンテースト,パーソロン,ヒンドスタン,プリンスリーギフトなどといった昭和の日本競馬に栄えた父系。平坦コース,非根幹距離で力を発揮する傾向がある。

(その他特記事項)

ノーザンテーストは中山,京都が得意

プリンスリーギフト系のサクラユタカオーは東京が得意

※スピードタイプ

スピードの限界値が高くなる。先行脚質ならばスタートダッシュ[注1],差し脚質ならば上がりの速さに磨きがかかる[注2]。

(欧州型の「+α」)激流にも耐え,長く良い末脚が使えるようになる[注3]。

欧州型はNureyev系,グレイソヴリン系。日本型はパーソロン系,プリンスリーギフト系など。

※スタミナタイプ

長い距離をこなすスタミナ能力が高くなる。平均ラップ戦に強くなる[注4・5]。

(欧州型の「+α」)消耗戦が得意

欧州型はサドラーズウェルズ系,ネヴァーベンド系,リボー系,レッドゴッド系といった凱旋門賞御用達血統日本型は,ディクタス系,ヒンドスタン系など。

※変則タイプ

・リファール(Lyphard)系…万能タイプ

・ニジンスキー(Nijinsky)系,ノーザンテースト系…牡馬だとスタミナタイプ,牝馬だとスピードタイプになりやすい。また,前述のものとは逆の傾向に出ると繁殖馬として成功しにくい。

※自己顕示型

自己主張が強くなる傾向にある父系。米国型父系に多く見られる。

(米国型以外の父系で「自己顕示型」の傾向が見られる父系)

・Nureyev…産駒,繁殖馬として強い影響力を発揮。父系としては母が持つ色も多少重んじる。

・ノーザンテースト…産駒への影響力は,現役の時には片親と半々ぐらいのバランス。年齢を重ねるごとにノーザンテーストの影響が強まる。

・プリンスリーギフト…距離適性に関しては自己主張が強い。馬のタイプに関しては,父系の時は母の父系のエッセンスも尊重するが,母の父系としては産駒が現役の時から性格をむき出している。

※環境対応型

母や生産国などの後天的要素によって産駒のタイプが変わっていく父系。

ネイティヴダンサー系(本来は米国型)…キングマンボ(King Mambo),クリス(Kris),ジェイドロバリー,ヘクタープロテクターなどは欧州型スピードタイプ。エンドスウィープ(End Sweep),ティンバーカントリー(Timber Country)などは米国型。

Danzig系(本来は米国型)…デインヒル(Danehill)やPolish Precedentなどは欧州型スピードタイプ。Chief's Crown,Danzig Connectionなどは米国型。

ノーザンダンサー系






◎繁栄と未来

日本でヘイルトゥリーズン系が成功したのは?

上記のことを踏まえた上で話を進めますが,今の日本競馬で欠かせない存在となっているサンデーサイレンス,ブライアンズタイムは,共に2代父にヘイルトゥリーズンの血を持っています。

しかし,サンデーサイレンスの父であるヘイローはその生涯をアメリカで過ごし,種牡馬としてはサンデーサイレンスの他,キングヘイローの母でありケンタッキーオークスなどG1レース7勝のグッバイヘイロー,タイキシャトルの父であるDevil's Bagなどアメリカにおける活躍馬を輩出しています。一方,ブライアンズタイムの父であるロベルトは英国ダービーを制しており,子孫を見ていくとブライアンズタイムのようなアメリカで活躍した馬も見受けられるものの,英愛二カ国のセントレジャーを制したTouching Woodや英国のインターナショナルSでゼンノロブロイを負かしたエレクトロキューショニスト(Electrocutionist,父Red Ransom)など欧州での活躍の方が目立ちます。上記で触れた父系のタイプ分けを行うならば,ヘイロー系は米国型,ロベルト系は欧州型スタミナタイプということになりますが,サドラーズウェルズやDanzigなどを輩出したノーザンダンサー系,キングマンボやエンドスウィープなどを輩出したネイティヴダンサー系と同様,ヘイルトゥリーズンを父に持ちながらヘイロー系とロベルト系は全くタイプの違う馬を輩出していることから,ヘイルトゥリーズンが「環境対応型」と言えるのではないかと思われ,この「環境対応型」であるが故に,父系としての大きな成功を収めているのではないかと見られます[注6]。

※父系の頓挫は「硬直」

一方で,父系の繁栄は母系が握っているようなところがありますが,父系としての繋がりが廃れていくケースというのは,その血統イメージが「硬直」を始めた時にあるように思われます。競走馬としては恐ろしく強かったセクレタリアト(Secretariat)やショウナンアルバの活躍でピックアップされつつあるブリガディアジェラード(Brigadier Gerard)が父系としてうまくいかなかったのはその父系の究極を極めてしまい,当時としてはそれ以上の発展ができずに「硬直」したからではないかと推察しています。また,距離適性にうるさいプリンスリーギフトの父系としての繋がりは「サクラユタカオー→サクラバクシンオー→ショウナンカンプ」の一子相伝状態に陥っていますし,サドラーズウェルズやストームキャットなど外国で大きな成功を収めている種牡馬が日本ではさほど大きな成功を収めていないのも,いわゆる血統イメージの「硬直」にあるのではないかと見られます。

その意味では,「硬直」傾向が強くて劣勢になりつつあるナスルーラ系の中でも発展が望めそうなグレイソヴリン系やその子孫であるトニービンの系統がどう世界の競馬を彩っていくのかが気になります。

※孫サンデーの未来

さて,ヘイルトゥリーズンの子であるヘイローとロベルトに関する話に戻りますが,日本のヘイロー系の代表的種牡馬であるサンデーサイレンスはどんなタイプの父系でもクズを出さず,自身が持つ潜在的な高い能力を余すところ無く伝えます。その中でも相性が良いのは潜在的なスピード能力が高い馬で,とりわけ欧州型スピードタイプとの相性はタヤスツヨシ[注7],アドマイヤベガ[注7]といったダービー馬を輩出しているように非常に相性の良い配合となっています。一方,ロベルト系は欧州型スタミナタイプ[注8]や米国型[注9]との相性が特に良いですが,基本的にはダメな相性というのがありません。ただ,柔軟性に関してはヘイロー系の方が上といったところで,そうした部分がサンデーサイレンス系の独壇場に繋がっているのかもしれません。

さて,サンデーサイレンスを親に持つ繁殖馬が増えたということで,その未来がどうなっていくかを占ってみようと思いますが,昨年「父サンデーサイレンス」より多く賞金を稼いだ「母父サンデーサイレンス」は,父に誰を持つかということもさることながら,サンデーサイレンスを父に持つ母の母父次第で馬の形が変わってくるのではないかと見られます。

次にこれから産駒がデビューしていくであろう種牡馬のタイプを既に好成績を収めているサンデー系種牡馬のタイプに当てはめてみようと思いますが,欧州型スピードタイプを母の父系に持つハーツクライは同じ「母の父トニービン」であるアドマイヤベガのようなタイプに,グレイソヴリンなどと同じ欧州型スピードタイプでありながら「環境対応型」のネイティヴダンサー系を母の父系に持つネオユニヴァースはさながらフジキセキのような小器用な感じになるのではないかと見ています。一方,ネオユニヴァースと同じ「ネイティヴダンサー系」を母の父系に持ちながら,配合としては「米国型×米国型」のゼンノロブロイは判断が難しく,同じ「米国型×米国型」のジェニュインタイプになる可能性もありながらも柔軟性の非常に高い馬であることから母方のタイプによってだいぶタイプが変わってくるのではないかと見られます[注10]。また,マイルCSを2連覇した「母父ノーザンテースト」のダイワメジャーとデュランダルは,ノーザンテーストと相性が特に良かったトニービンを父に持つ母馬と出会わないと苦戦するのではないか見ています。

そして,サンデーサイレンス産駒の最高傑作ディープインパクトですが,スタミナ能力にバランスが振れればダンスインザダークやスペシャルウィーク,スピード能力にバランスが寄ればゴールドアリュールみたいな種牡馬になっていくのではないかと見ています。競走馬としての完成形に近かったディープインパクトがセクレタリアトなどのような不遇の立場にならないとも限りませんが,種付け相手の質の良さを考えると,やはりサンデーサイレンスの筆頭後継者として父系を繋げていくのではないかと思われます。






[注1]…ラップイメージ「12.0 - 10.5 - 11.5 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 12.0」

[注2]…ラップイメージ「12.4 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 11.6 - 11.3 - 11.2 - 11.3」

[注3]…ラップイメージ「12.4 - 10.8 - 11.6 - 12.0 - 12.0 - 11.5 - 11.3 - 11.7」

[注4]…中距離戦のラップイメージ「13.0 - 12.4 - 12.0 - 11.8 - 11.8 - 11.8 - 11.8 - 11.8 - 11.8 - 11.8」

[注5]…短距離戦のラップイメージ「12.5 - 11.5 - 11.5 - 11.5 - 11.5 - 11.5」

[注6]…ヘイロー系,ロベルト系も「環境対応型」

[注7]…いずれも母の父系グレイソヴリン

[注8]…マヤノトップガン(父ブライアンズタイム,母の父系レッドゴッド),ライスシャワー(父リアルシャダイ,母の父系ニジンスキー)など

[注9]…グラスワンダー(父Silver Hawk,母の父Danzig),ファレノプシス(父ブライアンズタイム,母の父ストームキャット)など

[注10]…「父エンドスウィープ,母の父サンデーサイレンス」のアドマイヤムーンにも似たようなことが言える

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血統話 | 22:35:53 | トラックバック(0) | コメント(0)

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