2011-11-28 Mon
今年の競馬は残り4週ですが、行われるG1は全てその路線の頂点を決める一戦。そのオープニングを飾るダートの頂上決戦・ジャパンCダートではどういった戦いが繰り広げられるのか、阪神開催となった2008年以降の好走馬の傾向を見ていきます。1・サンデーorミスプロ
ジャパンCダートにおける有力血統はサンデーサイレンス、ミスタープロスペクターを父系ないし母の父系に持っている馬で、どちらも近3年では1頭以上3着以内に入ってきています。一方で、稍重の昨年はトニービンの血を持つ馬が2頭3着以内に入っており、馬場コンディションにも注意が必要です。
2・上昇街道まっしぐら
昨年の勝ち馬トランセンド、一昨年の勝ち馬エスポワールシチーが共に翌年のフェブラリーSを制しているように、ダートG1で重要なのが勢いであり、ここ2年は10月、11月のダートオープンクラスのレース勝ち馬が連対しています。
3・1分50秒の壁
阪神ダート1800mで行われた過去3回のジャパンCダートは全て勝ちタイムが1分50秒を切る決着を見ていますが、1番人気馬が(2-0-1-0)であるのに対し、2番人気馬、3番人気馬は全て着外という結果に終わっています。過去の2番人気馬、3番人気馬はいずれも半年以内に国内のダート1800mで1分50秒を切る時計で走っておらず、時計の裏付けがポイントと言えます。
スポンサーサイト
2011-11-28 Mon
昨年は日本ダービー馬を父に持つ馬が1着から4着まで独占しましたが、今年は日本ダービーとジャパンC2つの東京芝2400mG1を勝った父を持つ天皇賞馬が1着から3着まで独占。日本競馬を極めた馬たちが凌ぎを削って勝利を収めたのは、昨年1位入線ながら降着の憂き目に遭った5歳牝馬ブエナビスタでした。1着・ブエナビスタ(父スペシャルウィーク)
2着・トーセンジョーダン(父ジャングルポケット)
3着・ジャガーメイル(父ジャングルポケット)
※老いてなお盛ん
過去3年では3着以内に入ってきた5歳以上の馬は2年前の優勝馬ウオッカのみでしたが、今年の上位3頭の顔ぶれは5歳、5歳、7歳と年齢から見れば歴史を覆すような結果になりました。
とはいえ、勝ったブエナビスタは昨年のジャパンCが1位入線である上、ジャパンC好走と縁の深い春秋グランプリを2年連続2着としており、今年のG1も2着2回で衰えとまでは行かない状態でした。2着のトーセンジョーダンに至っては5か月の休み明けとなった宝塚記念が今年唯一の敗戦でG1レース1勝、G2レース2勝と波に乗っていました。ウオッカにしても春先にヴィクトリアマイル、安田記念を連勝しており、安定した強さを引き出せていたのが今回のジャパンC好走に繋がったのではないかと見られます。
※7歳馬ジャガーメイルの3着と4歳馬トレイルブレイザーの4着
1か月前の天皇賞(秋)の回顧で、今年の上半期G1で激走してきた馬たちの不振について触れましたが、これはレコードが出るような高速決着で上位争いをしてきた馬たちの代償という考えがあり、コースレコード1秒以上更新した今年の天皇賞(秋)をステップにした上位馬もまた、今後に悪影響が出る可能性があると見ていました。しかし、実際は前走天皇賞(秋)の5歳以上の馬たちが1着から3着まで占めた一方で、4歳馬は前走アルゼンチン共和国杯のトレイルブレイザーの4着が最高で、天皇賞(秋)を使った4歳馬が全て掲示板から漏れるという結果に終わりました。
勝ったブエナビスタ、2着のトーセンジョーダンについては先に触れましたが、3着のジャガーメイルは春全休というローテーションが功を奏したといったところ。4着のトレイルブレイザーは春のG1出走を宝塚記念8着の一戦のみとし、迎えた秋2戦を共に連対と上り調子であったのが良かったのではないかと考えられます。一方で、天皇賞(秋)で3着、5着に入ったペルーサ、トゥザグローリーはそれぞれ16着、11着と不甲斐ない結果に終わっていますが、春のG1で凡走したアドバンテージを天皇賞(秋)で使いきった上に、3歳時に古馬G1で勝ちきれなかったツケを払っている感もあり、詰まるところG1では善戦止まりといった趣があります。
※レース勘の問題
今年のジャパンCで大きな話題となったドバイワールドC優勝馬と凱旋門賞馬の参戦でしたが、ドバイワールドCを勝ったヴィクトワールピサは13着、凱旋門賞を勝ったデインドリームは6着に終わりました。ヴィクトワールピサは秋初戦がジャパンCというローテーションに無理があることもさることながら、今年に入って国内のG1を一度も走っていないということも大きなマイナスで、ここでの凡走は致し方なしといったところでした。ただ、良くも悪くも常識にかからない角居勝彦厩舎の馬なので、有馬記念に出走してくるようであれば、連覇も視野に好勝負可能と見ておきたい1頭です。デインドリームについては上がり3ハロン34秒0と最速を記録したブエナビスタとコンマ1秒の差なので日本への適性がないわけではなさそうですが、勝負どころで仕掛け遅れがあったところを踏まえると、まだまだトップホース相手では対応しきれないところがあるという感じで、この経験を生かして更なる成長があれば、来年こそ勝つチャンスがあると見ています。
2011-11-26 Sat
◎・ウインバリアシオン○・エイシンフラッシュ
▲・デインドリーム
(参考記事・ジャパンC展望 「格と勢い」)
三冠馬がいなくてもドバイワールドC馬がいて、凱旋門賞馬がいる今年のジャパンC。ジャパンC史上初めてドバイワールドC馬と凱旋門賞馬の対決が見られますが、本命は日本の3歳馬ウインバリアシオン。日本ダービー2着、菊花賞2着と昨年のジャパンC優勝馬ローズキングダムとそっくりな臨戦課程を積み、着実に右肩上がりの成長曲線を描いています。父が2005年有馬記念の優勝馬で同年のジャパンC2着のハーツクライ、母父が使い込めば強さがより引き出されていくStorm Birdと、血統的にも強力な後押しがあります。対抗のエイシンフラッシュは昨年の日本ダービー馬で、今回出走の4歳馬で唯一の年内国内G1連対馬というのがジャパンC上位進出におけるアドバンテージとなっています。
ただ、上記の2頭については複勝圏内確実と見つつも勝利に関しては微妙なところで、どの馬も一長一短という中で優勝候補と見たのは、今年の凱旋門賞馬デインドリーム。2代父Niniskiはこのコースのレコードホルダーであるアルカセットの母父あたる馬であり、ジャパンCで2年連続掲示板入線を果たしているエルナンドの父ということで日本への適性は大いにあると考えられます。当年の凱旋門賞勝ち馬のジャパンCは1996年のエリシオの3着が最高で、エリシオの凱旋門賞制覇はデインドリームと同じく2着馬に5馬身差でしたが、デインドリームは2分24秒49という凱旋門賞レコードを樹立しており、エリザベス女王杯2連覇のスノーフェアリーにも先着していることから、史上初の3歳牝馬によるジャパンC制覇は可能と見ています。
複勝
ウインバリアシオン
ワイド
ウインバリアシオン-エイシンフラッシュ
三連単
デインドリーム→エイシンフラッシュ→ウインバリアシオン
2011-11-21 Mon
日本では獲得賞金の最も高いレースである国際G1・ジャパンC。日本ダービーと同じコースの東京芝2400m戦ですが、高額賞金獲得を目論んで上位争いをしてくる馬の姿を過去のデータから見ていきます。1・若さが正義
昨年はジャングルポケット以来の3歳馬の勝利となったジャパンCですが、近3年では2009年優勝のウオッカ以外は4歳以下の馬が3着以内に入ってきています。
2・日本ダービーとグランプリ
昨年は日本ダービー馬の父を持つ馬が1着から4着まで独占しましたが、近3年のジャパンCで複勝圏内に入ってきているのは自身あるいは父が日本ダービー馬であるか、父が春秋いずれかのグランプリ優勝馬となっています。2007年には同年の宝塚記念の上位3頭がそのまま独占、ジャパンC史上最大の着差をつけた2003年優勝馬タップダンスシチーが前年の有馬記念で2着となっていることからも、過去にグランプリで強さを見せている馬に注意が必要です。
3・連覇の可能性
昨年は3歳馬のローズキングダムが勝ったジャパンC。1のデータでは4歳以下の馬が優勢と出ていましたが、連覇を目指した馬の成績は(0-1-2-3)と3着以内は半分で、連覇を果たした馬は1頭もいません。その上で3着以内に入ってきた3頭はいずれも年内のG1で2連対以上しており、ジャパンC初制覇後も鮮度を保っているかどうかが重要です。
2011-11-20 Sun
昨年はレコード決着となったマイルCSですが、前日の雨の影響で稍重となった今年は1分33秒9と1996年以来となる1分33秒台後半の決勝タイム。上位2頭は内から末を伸ばしてきましたが、そんなレースで勝利を収めたのは、前走不良馬場の富士Sを制したエイシンアポロンでした。1着・エイシンアポロン(父Giant's Causeway)
2着・フィフスペトル(父キングカメハメハ)
3着・サプレザ(父Sahm)
※朝日杯2着馬のワンツー
今年のマイルCSは4枠から内側に入った馬が掲示板に4頭入り、内側有利のトラックバイアスがあったことも否めませんが、勝ったエイシンアポロン、2着のフィフスペトルは共に朝日杯の2着馬であり、京王杯2歳Sの連対馬。2007年、2008年に連続して2着だったスーパーホーネットも2歳の時に京王杯2歳Sが行われる東京芝1400mの500万下を制して朝日杯2着という実績があり、その点から言えば2頭ともマイルCSに対する適性は高かったと言えます。
※初めての富士Sからの連勝
勝ったエイシンアポロンは前走の富士Sを1番人気で勝利。現在の東京芝1600mという条件になってからは2004年のアドマイヤマックスに次いで2頭目の1番人気1着となりましたが、連勝したのはエイシンアポロンが初めてとなります。昨年はダノンヨーヨーが富士Sを勝った後にマイルCS2着となり、富士SとマイルCSとの関連性が高まっているという見方もできますが、エイシンアポロンは京王杯2歳Sで既にG2勝ちがあり、そこがダノンヨーヨー、ひいては他の富士S優勝馬との差になったとも言えそうです。