2014-05-31 Sat
様々な意味でメモリアルになりそうな2014年の東京優駿【日本ダービー】。今回の狙い目は雑多な印象を与えそうですが、私が思う”2014年の日本ダービー馬最有力候補”は、昨年の暮れの時点で指名したあの馬です。(展望記事・第81回東京優駿【日本ダービー】展望 「”頂”の算」 )
(参考まとめ記事・レース参考まとめ「第81回東京優駿【日本ダービー】」)
【データルール1・展望記事で該当していたデータの項目番号を、印の横の「」内に記載。項目内の複数の要素に該当していれば、番号の前に”☆”を入れる】
【データルール2・[レ]のデータにおいて出走馬中3頭以下が該当するものであれば、そのデータに”下線”を、1頭のみのものは”【】”を加える】
1枠1番・サウンズオブアース(…)「1」
+・3年連続3着以内入線馬を輩出している”3月以降に初めて芝2000m超のレースに出走し、連対している馬”[レ]、4年連続3着以内入線の「2勝目が芝2000m以上のレースで、3歳になってG1またはG2で連対経験を持つ馬」[レ]
-・デビューから2戦目以内に勝てなかった馬による3着以内入線は2008年優勝のディープスカイ以来なし[レ]
昨年のキズナを含めて、2007年以降では4勝している1枠1番ですが、オープンを勝ったことがない馬では苦戦すると見ました。
1枠2番・ワンアンドオンリー(△)「2」
+・4年連続3着以内入線の「2勝目が芝2000m以上のレースで、3歳になってG1またはG2で連対経験を持つ馬」[レ]
-・【皐月賞において上がり3ハロン最速を出して負けた馬による連対は2002年優勝のタニノギムレット以来なし[レ]】、デビューから2戦目以内に勝てなかった馬による3着以内入線は2008年優勝のディープスカイ以来なし[レ]
先週の優駿牝馬【オークス】をハーツクライ産駒が勝利したのを受けて評価を高めましたが、配合自体は中山・阪神内回りの小回りで活躍するタイプで、実際の走りもそういった印象を受けるので、積極的に狙いたい馬ではありません。
2枠3番・マイネルフロスト(…)「2・3」
+・ここ5年では必ず1頭は連対している”キャリア2戦目でオープンクラスを勝っている馬”[レ]、2007年以降では必ず1頭は連対している「2勝目が芝1800m戦で連勝絡み」[レ]
-・前走G1以外で3着以下に敗れた馬による3着以内入線は、1996年の3着馬メイショウジェニエ以来なし[レ]、毎日杯優勝の次のレースで敗戦、もしくはダービー前未出走の馬によるG1レース3着以内入線はなし[自]
1800mを超える距離に壁を感じる走りを見せていることから、無印です。
2枠4番・アドマイヤデウス(…)「なし」
+・6年連続3着以内入線馬を輩出している”デビューから3戦目以内に芝2000m戦を勝利している馬”[レ]、12年連続連対馬輩出の”2か月以内に2つの異なる競馬場で連勝している馬”[レ]、2年連続連対馬輩出の”2戦以上無敗の競馬場がある馬”[レ]
-・重賞未連対馬は2001年3着のダンシングカラー以来3着以内なし[レ]、デビューから2戦目以内に勝てなかった馬による3着以内入線は2008年優勝のディープスカイ以来なし[レ]
皐月賞前に芝2000m超のレースに出走して敗北しているところを見ていると、ダービーで好走する資質に欠けていると思われます。
3枠5番・トゥザワールド(キルトクール)「1・2」
+・2007年以降では必ず1頭は連対している「2勝目が芝1800m戦で連勝絡み」[レ]、12年連続連対馬輩出の”2か月以内に2つの異なる競馬場で連勝している馬”[レ]、2年連続連対馬輩出の”2戦以上無敗の競馬場がある馬”[レ]
-・【皐月賞トライアル優勝馬で皐月賞を2着、または3着に敗れた馬による3着以内入線馬は2002年優勝馬タニノギムレット以来なし[レ]】
この馬が勝利すれば、鞍上の川田将雅騎手はクラシック完全制覇の最年少記録を更新しますが、兄トゥザグローリーと同様に器用貧乏なところが見受けられ、皐月賞の負け方からダービーへの上昇はさほど期待できないと見て、当ブログではエクスペディション、フェノーメノに次いで3頭目となる”2回目のキルトクール”指名です。
3枠6番・ショウナンラグーン(△)「3」
+・3年連続連対馬輩出の”最初の3歳重賞で4着以下に負けている、父が12月のG1優勝馬”[レ]、4年連続3着以内入線の「2勝目が芝2000m以上のレースで、3歳になってG1またはG2で連対経験を持つ馬」[レ]、6年連続3着以内入線馬を輩出している”デビューから3戦目以内に芝2000m戦を勝利している馬”[レ]
-・2勝目が芝2000m超のレースだった馬による連対は2005年2着のインティライミ以来なし[レ]
昨年から天皇賞【春】優勝馬を母父に持つシンボリクリスエス産駒がクラシックディスタンスで活躍を見せ始めていますが、この馬は祖母が1997年の優駿牝馬【オークス】優勝馬メジロドーベルで、日本競馬にマッチしてきたシンボリクリスエス産駒という意味では最高の存在と見られることから、上位進出の可能性が高いと思われます。
4枠7番・ウインフルブルーム(出走取り消し)「1」
+・5年連続3着以内入線馬を輩出している”父が日本ダービー馬で、芝1800m戦でデビュー勝ちを収めた馬”[レ]
-・2勝目が1600m以下の馬による連対は2007年優勝のウオッカ以来なし[レ]
デビュー勝ちを収めた時から小回りコースの先行巧者といった印象が強く、皐月賞3着で確信していたことから、このダービーでは高い評価を与える予定はありませんでした。
4枠8番・スズカデヴィアス(…)「なし」
+・3年連続3着以内入線馬を輩出している”3月以降に初めて芝2000m超のレースに出走し、連対している馬”[レ]、6年連続3着以内入線馬を輩出している”デビューから3戦目以内に芝2000m戦を勝利している馬”[レ]、12年連続連対馬輩出の”2か月以内に2つの異なる競馬場で連勝している馬”[レ]
-・重賞未連対馬は2001年3着のダンシングカラー以来3着以内なし[レ]、前走G1以外で3着以下に敗れた馬による3着以内入線は、1996年の3着馬メイショウジェニエ以来なし[レ]、2勝目が芝2000m超のレースだった馬による連対は2005年2着のインティライミ以来なし[レ]
皐月賞、京都新聞杯の連敗の内容から、全く狙える馬ではありません。
5枠9番・アズマシャトル(…)「なし」
+・3年連続連対馬輩出の”父が有馬記念優勝馬で、自身はデビュー勝ちを収めている馬”[レ]、3年連続連対馬輩出の”最初の3歳重賞で4着以下に負けている、父が12月のG1優勝馬”[レ]
-・前走G1以外で3着以下に敗れた馬による3着以内入線は、1996年の3着馬メイショウジェニエ以来なし[レ]
3歳になって内容がどんどんと悪くなっており、ダービー好走を望むのは酷な状態です。
5枠10番・ベルキャニオン(…)「なし」
+・6年連続3着以内入線馬を輩出している”デビューから3戦目以内に芝2000m戦を勝利している馬”[レ]
-・【重賞未勝利のプリンシパルS優勝馬による3着以内なし[レ]】
東京競馬場では4戦2勝2着2回の連対率100%ホースですが、格負けしている感が否めません。
6枠11番・ハギノハイブリッド(…)「☆1」
+・3年連続3着以内入線馬を輩出している”3月以降に初めて芝2000m超のレースに出走し、連対している馬”[レ]、12年連続連対馬輩出の”2か月以内に2つの異なる競馬場で連勝している馬”[レ]
-・”3歳G1、皐月賞トライアル、ダービートライアル”のいずれにも出走しなかった馬による連対は、2005年2着馬インティライミ以来なし[レ]、デビューから2戦目以内に勝てなかった馬による3着以内入線は2008年優勝のディープスカイ以来なし[レ]、2勝目が芝2000m超のレースだった馬による連対は2005年2着のインティライミ以来なし[レ]
父子二代制覇がかかる一頭で、こちらは父子共に同じ松田国英厩舎所属馬となっていますが、初の東京競馬場のレースだった共同通信杯でイスラボニータらに完敗しているところを見ると、このダービーで勝ちきるイメージがわきません。
6枠12番・エキマエ(…)「なし」
+・12年連続連対馬輩出の”2か月以内に2つの異なる競馬場で連勝している馬”[レ]
-・”3歳G1、皐月賞トライアル、ダービートライアル”のいずれにも出走しなかった馬による連対は、2005年2着馬インティライミ以来なし[レ]、デビューから2戦目以内に勝てなかった馬による3着以内入線は2008年優勝のディープスカイ以来なし[レ]
地方交流重賞勝ちから成り上がりを狙う、今回唯一の”サンデーサイレンスの血を全く持たない馬”。先週のオークスで二代父サンデーサイレンスの馬が1着から3着まで独占しており、とても狙えるような馬ではありませんが、母の父系が極端な競馬を好むダンシングブレーヴで、鞍上に穴男・江田照男騎手がいることから、その存在感には注目です。
7枠13番・イスラボニータ(○)「2」
+・2007年以降では必ず1頭は連対している「2勝目が芝1800m戦で連勝絡み」[レ]、12年連続連対馬輩出の”2か月以内に2つの異なる競馬場で連勝している馬”[レ]、2年連続連対馬輩出の”2戦以上無敗の競馬場がある馬”[レ]、父が中山G1馬である東京スポーツ杯2歳S優勝馬による最初の東京芝G1(1-1-0-0)[自]
-・2004年以降の共同通信杯優勝馬による優勝後最初の東京芝(0-0-0-10)[自]
皐月賞の勝ち方を見る限りではオールラウンダー型の印象が強く、4戦全勝の東京コースに替わっての上積みは全く期待していません。それでも、過去6戦全てにおいて上がり3ハロンでは35秒0を切っており、現代の日本ダービーに向いている走りは披露しているので、二冠達成の可能性は十分にあると見ています。
7枠14番・タガノグランパ(…)「1・3」
+・2年連続連対馬輩出の”2戦以上無敗の競馬場がある馬”[レ]
-・2勝目が1600m以下の馬による連対は2007年優勝のウオッカ以来なし[レ]
中京芝1400mで2勝した実績が府中でどのように生かされるか、その辺りには注目しています。
7枠15番・サトノルパン(…)「なし」
+・3年連続連対馬輩出の”最初の3歳重賞で4着以下に負けている、父が12月のG1優勝馬”[レ]
-・2勝目が1600m以下の馬による連対は2007年優勝のウオッカ以来なし[レ]
血統的にダービーのような大舞台では荷が重いです。
8枠16番・レッドリヴェール(▲)「2・3」
+・ここ5年では必ず1頭は連対している”キャリア2戦目でオープンクラスを勝っている馬”[レ]、2007年以降では必ず1頭は連対している「2勝目が芝1800m戦で連勝絡み」[レ]
-・芝1800m戦となった1997年以降の札幌2歳S優勝後からダービーまでの間に芝1800m未満のレースを使った馬は過去7頭おり、ダービー以降のG1で3着以内に入った馬はなし[自]
今年の東京優駿の日からちょうど1年前に阪神芝1600mのメイクデビューを勝ち上がってきた牝馬ですが、当時のそのレースは5頭立てで、全て社台グループ生産馬でした。日本競馬と社台グループがほぼ一蓮托生な関係性を持っている現状からは、無敗の2歳女王にもなったこの馬こそが、2014年のダービー馬に最もふさわしい可能性がありそうです。
8枠17番・トーセンスターダム(◎)「1・2・3」
+・ここ5年では必ず1頭は連対している”キャリア2戦目でオープンクラスを勝っている馬”[レ]、5年連続3着以内入線馬を輩出している”父が日本ダービー馬で、芝1800m戦でデビュー勝ちを収めた馬”[レ]、3年連続連対馬輩出の”父が有馬記念優勝馬で、自身はデビュー勝ちを収めている馬”[レ]、6年連続3着以内入線馬を輩出している”デビューから3戦目以内に芝2000m戦を勝利している馬”[レ]、2年連続連対馬輩出の”2戦以上無敗の競馬場がある馬”[レ]
-・【芝2000m戦を勝利した後に芝1800mの3歳重賞を勝った馬は2000年以降(0-0-0-5)[レ]】
三冠ジョッキーと三冠トレーナーが手塩をかけてきたディープインパクト産駒は、ここまで思い通りのダービーヴィクトリーロードを歩めている印象があり、昨年暮れに出した予想(参考記事・2014年のダービー馬がもう見えた)を初志貫徹します。
8枠18番・ワールドインパクト(…)「なし」
+・4年連続3着以内入線の「2勝目が芝2000m以上のレースで、3歳になってG1またはG2で連対経験を持つ馬」[レ]、6年連続3着以内入線馬を輩出している”デビューから3戦目以内に芝2000m戦を勝利している馬”[レ]
-・2勝目が芝2000m超のレースだった馬による連対は2005年2着のインティライミ以来なし[レ]
先週のオークス馬ヌーヴォレコルトと同様に、「二代父サンデーサイレンス、母の父系Nureyev」という血統馬ですが、ヌーヴォレコルトと比べると血統的後押しとキャリアの後押しが弱く、上位争いは難しいと見ました。
単勝
トーセンスターダム
イスラボニータ
レッドリヴェール
ワンアンドオンリー
複勝
トーセンスターダム
ショウナンラグーン
馬連(ながし)
(軸)イスラボニータ
(相手)トーセンスターダム、ワンアンドオンリー、ショウナンラグーン
馬連(ボックス)
トーセンスターダム、レッドリヴェール、ワンアンドオンリー
ワイド(ながし)
(軸)ショウナンラグーン
(相手)トーセンスターダム、イスラボニータ
三連単(フォーメーション・その一)
(1着)イスラボニータ
(2着)トーセンスターダム、ワンアンドオンリー、ショウナンラグーン
(3着)ワンアンドオンリー、ショウナンラグーン
三連単(フォーメーション・その二)
(1着・2着)トーセンスターダム、レッドリヴェール、ワンアンドオンリー
(3着)ショウナンラグーン
☆勝負のワンツースリー
イスラボニータ→トーセンスターダム→ショウナンラグーン
◇「競馬思考履歴」更新のお知らせ
ダービー予想の裏話的なものをほんの少し。大したことを書き残していませんが、秋に向けての布石も…
競馬思考履歴
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2014-05-31 Sat
枠順発表後に4枠7番に入ったウインフルブルームが出走取り消しとなり、2010年以来のフルゲート割れとなった2014年の東京優駿【日本ダービー】。一方で、2007年以来となる皇太子殿下ご観戦のレースとなりましたが、JRA創設60周年など、様々な意味でメモリアルなレースとなりそうな今年の日本ダービーで勝利を収めるのはどの馬になるのか、そのヒントになりそうな記事をまとめていきました。(第81回東京優駿【日本ダービー】の参考記事)
95th forecast 第80回東京優駿【日本ダービー】(◎ロゴタイプ)
結束の80代目 第80回東京優駿【日本ダービー】回顧
追跡・オルフェーヴル&キズナ 「2013年凱旋門賞から始まる話」
113th forecast 「第74回菊花賞」(◎フルーキー)
凱旋門賞に最も近いレース? 第74回菊花賞回顧
2013年の芝2400m・2500m重賞を総ざらい(東京以外)
2013年の東京競馬場芝2400m・2500m重賞を総ざらい
118th forecast 「第33回ジャパンC」(◎ジェンティルドンナ)
世代交代の波、押し寄せる! 第33回ジャパンC回顧
121st forecast 「第65回阪神ジュベナイルフィリーズ」(◎マーブルカテドラル)
超大物は誰だ 第65回阪神ジュベナイルフィリーズ回顧
2014年・三の予想 「第54回京成杯」(◎アデイインザライフ)
修正成功? 第54回京成杯回顧
いざクラシックへ!注目の一頭 2014クラシック世代・第36週
いざクラシックへ!注目の一頭 2014クラシック世代・特別編
2014年・七の予想 「第9回オーシャンS&第51回弥生賞」
第9回オーシャンS&第51回弥生賞回顧
追跡・トゥザワールド 「王道が近道?」
いざクラシックへ!注目の一頭 2014クラシック世代・第42週
いざクラシックへ!注目の一頭 2014クラシック世代・第43週
2014年のレース予想・十の予想 「第58回大阪杯」
王道、貫けるか 第58回大阪杯回顧
2014年のレース予想・十一の予想 「第74回桜花賞」(◎レッドリヴェール)
日本競馬、至極の一戦 第74回桜花賞回顧
2014年レース予想・十二の予想 「第74回皐月賞」(◎トーセンスターダム)
1年計画は道半ば 第74回皐月賞回顧
第75回優駿牝馬【オークス】&第81回東京優駿【日本ダービー】の”ヒラメキ”・1
第75回優駿牝馬【オークス】&第81回東京優駿【日本ダービー】の”ヒラメキ”・2
追跡・レッドリヴェール 「女心と秋の空」
94th forecast 「第75回優駿牝馬【オークス】」(◎サングレアル)
天下無双の道遠し 第75回優駿牝馬【オークス】回顧
第81回東京優駿【日本ダービー】展望 「”頂”の算」
2014-05-29 Thu
今週はいよいよ日本ダービーの開催週ですが、昨年のダービー前から連載を始めた”競馬小説「3G -Story Of Derby-」”は、今回をもって完結となります。この小説の内容は、今年のクラシックと重なる部分もあり、ちょっと予言めいた内容になってしまいましたが、「エピローグ」を3ページ分、「あとがき」を掲載していきました。3G -Story Of Derby-
◇「競馬思考履歴」更新のお知らせ
先日、今年の競馬の”連続性”について触れていきましたが、さらなる”連続性”を発見したということで、そのことをメインに書き連ねています。
競馬思考履歴
2014-05-27 Tue
昨年はディープインパクト産駒の連覇となった東京優駿【日本ダービー】。2007年にウオッカが父子ダービー制覇を果たして以降、父が日本ダービー馬かそうではない馬かという構図ができつつありますが、今回の展望記事ではそういった部分をピックアップしながら、上位馬に見られる傾向を検証していきます。(昨年の展望記事・第80回東京優駿【日本ダービー】展望 「”優”の算」)
1・二代
阪神競馬場改修後に行われた2007年以降の日本ダービーの優勝馬を見ると、父が日本のクラシックを勝っている馬が5頭いますが、うち4頭は父子ダービー制覇となっております。このように、2007年以降では日本ダービー馬の産駒が必ず1頭は3着以内に入ってくるようになっていますが、彼らの重賞実績を見ていくと、関西芝外回りの重賞で連対実績を持っているか、芝G2以上の優勝実績を持っているか、いずれかに該当しています。
2・土台
1のデータで父が日本ダービー馬の馬について詳しく触れましたが、2007年以降の連対馬で見ると、父が日本ダービー馬が7頭、それ以外の父の馬が7頭と五分の勝負をしています。彼らは全て中央競馬の重賞で勝ったことがある馬たちですが、日本ダービー馬の産駒で連対した馬について触れると、1着になった4頭はいずれも”連勝状態で重賞制覇経験を持ち、なおかつ重賞制覇時は前走と同等以上の距離走破”という共通点を、2着になった3頭は”芝1800m重賞勝利経験持ち、重賞勝ち後4着以下になったことがある”という共通点を、それぞれ有しています。
対する”父が日本ダービー勝ち馬でない連対馬7頭”について触れると、1着になった3頭もまた”連勝状態で重賞制覇経験を持っていた馬”であり、2着の4頭については、”芝2000mの2歳オープン出走歴を持ち、3歳重賞で1回以上4着以下になったことあり”という共通点があります。
3・命題
2のデータで連対馬は重賞勝利が必須ということを話しましたが、阪神競馬場改修後に行われた2007年以降の優勝馬7頭は、全て”上がり3ハロン最速で中央競馬の重賞制覇経験あり”でした。
☆昨年の上位3頭
1着・キズナ(1・2・3に該当)
2着・エピファネイア(2・3に該当)
3着・アポロソニック(該当なし)
昨年は皐月賞馬ロゴタイプが1985年のシリウスシンボリ以来の乗り替わりからのダービー制覇を目論みましたが、ロゴタイプは5着に沈み、武豊騎手で重賞連勝中だった1番人気馬キズナが、武豊騎手に日本ダービー5勝目をプレゼントしました。2007年以降の皐月賞馬によるダービーの成績は(1-0-1-4)で、唯一の勝ち馬である2011年のオルフェーヴルは東日本大震災の影響で皐月賞が東京競馬場で行われたものであることから、中山の皐月賞と東京の日本ダービーが全くかみ合わなくなっているという側面があります。
一方で、1番人気馬の成績ということで見ても、2007年以降では(3-0-1-3)と、2001年から2006年にかけて1番人気馬が勝利してきたことを踏まえると安心して狙えるわけでもありませんが、競馬学校出身騎手で重賞連勝実績があった馬に限れば(3-0-0-0)としており、この点で言えば、皐月賞馬イスラボニータが蛯名正義騎手のままダービー出走を果たし、1番人気に支持されていれば勝つチャンスは十分と言えます。
なお、アポロソニックは1995年3着のメイショウジェニエ以来となる青葉賞敗戦馬によるダービー3着以内入線を果たしましたが、アポロソニック含めてここ3年続けて初の芝2000m超のレースを勝った馬が3着以内に入ってきています。有力馬が心許ない場合は、こういった馬を狙ってみるのも一興かと思われます。
☆今年の登録馬とデータマッチ
※1に該当【父が日本ダービー馬限定】
・関西芝外回り重賞で連対実績を持つ馬
ウインフルブルーム、サウンズオブアース、タガノグランパ、トーセンスターダム、ハギノハイブリッド
(除外)なし
・芝G2以上の優勝実績を持つ馬
トゥザワールド、ハギノハイブリッド
(除外)なし
※2に該当【中央競馬の重賞勝ち馬限定】
・連勝状態で重賞勝ちを収めたことがあり、なおかつ重賞制覇時はその前のレースと同等以上の距離を走破している【父が日本ダービー馬限定】
トゥザワールド
・芝1800m重賞勝ちがあり、その重賞制覇後に4着以下に敗れたことがある馬【父が日本ダービー馬限定】
トーセンスターダム
・連勝状態で重賞勝ちを収めたことがある馬【父が日本ダービー馬でない馬限定】
イスラボニータ、レッドリヴェール
・芝2000mの2歳オープン出走歴があり、3歳重賞で1回以上4着以下になったことがある馬【父が日本ダービー馬でない馬限定】
マイネルフロスト、ワンアンドオンリー
※3に該当
・上がり3ハロン最速を記録して中央競馬の重賞勝ちを収めた馬
ショウナンラグーン、タガノグランパ、トーセンスターダム、マイネルフロスト、レッドリヴェール
※該当なし
アズマシャトル、アドマイヤデウス、エキマエ、サトノルパン、スズカデヴィアス、ベルキャニオン、ワールドインパクト
(除外)サトノフェラーリ、シャドウダンサー、ピオネロ、ミヤビジャスパー
2014-05-26 Mon
今週はいよいよ中央競馬で日本ダービーが行われます。私も昨年に続いて現地観戦の予定ですが、平場戦では基本的には馬券は温存しつつ、特別戦に入ったその時に勝負をかけていこうかなどと考えているところです。今回はダービーの後に行われる重賞・目黒記念とダービー直前に行われるむらさき賞、ダービーの前日に行われる3歳オープン特別の白百合Sの注目ポイントをいくつかピックアップします。また、来週行われる安田記念についても簡単に触れています。
※目黒記念
ダービーデーの最終レースに行われるのが恒例となりつつある、伝統のハンデ重賞。今年のトップハンデホースは目黒記念と同じ東京芝2500mのハンデG2・アルゼンチン共和国杯を勝利しているアスカクリチャンと、昨年の目黒記念優勝馬ムスカテールの2頭で共に57.5kgの斤量を背負いますが、前者は天皇賞【春】で最下位、後者はここ2走続けて地方交流重賞に出走と臨戦過程に大きな課題を抱えています。ここ2年は春の東京開催開幕週に日本ダービーと同じ芝2400m戦として行われるメトロポリタンSを勝利している馬が奮戦しており、今年はラブリーデイの活躍に期待したいところですが、3年連続で3着以内に入ってきているゼンノロブロイ産駒にも要注意で、今年のオークス馬ヌーヴォレコルトと同じ母父スピニングワールドのステラウインドの走りに特に注目しています。
※白百合S
ダービーウィークの土曜日に京都競馬場で行われる3歳オープン特別。オークス、あるいはダービーへの出走が叶わなかった馬たちが集うレースで、ダービーとのダブル登録馬はピオネロとミヤビジャスパーの2頭となっておりますが、ダービーへの出走が叶う賞金を有していながら、ダービーへの登録すら行わなかったウインスプラッシュがこのレースでどのような存在感を示すのか気になるところ。また、牝馬の登録馬が2頭いますが、オークスへの登録を行いながら抽選で除外となったレーヴデトワールが2勝をあげている京都競馬場で巻き返しを狙えるか、その他の馬も楽しみが多いレースとなりました。
※むらさき賞
ダービーデーの東京競馬場で行われるダービー前最後のレース。昨年はシンボリルドルフCとして行われた東京芝1800mのハンデ準オープンでしたが、そのレースを勝利したエキストラエンドは、今年に入って京都金杯を制し、安田記念の登録を済ませて、頂点に上り詰めようとしています。今年は21頭の登録がありますが、エキストラエンドの全兄にあたるリベルタス、前走今回と同じコースの1000万下特別で2011年の新潟2歳S以来約3年ぶりの勝利を収めたモンストール、あるいはここ2戦続けて中山芝2000m戦で強い競馬を見せているマイネルミラノなど、楽しみなメンバーが揃った印象があります。
※安田記念
NHKマイルCから始まった春の東京芝G1・五連戦も安田記念でエンディングを迎えますが、今年は外国馬グロリアスデイズを含めても登録馬はフルゲートの18頭ぴったりということで、非常にシビアな印象を受けました。この中の誰かが回避したその瞬間、エアジハードがグラスワンダーを破って勝利を収めた1999年以来となるフルゲート割れのレースになることが確定しますが、ドバイからの帰国初戦となるジャスタウェイが天皇賞【秋】からの出走G1・三連勝を果たせるかどうかが最大の注目です。
その上で、ジャスタウェイと同期で屈腱炎に泣かされながら、今年春の京都競馬場でコースレコードをマークしているグランデッツァ、ワールドエースの2頭が、2年前のクラシックで1番人気に支持されながら敗れ去った雪辱を晴らせるかどうか、前走ヴィクトリアマイルで初めてマイル戦で4着以下に敗れ去った紅一点ホエールキャプチャの巻き返しがあるかどうか、あるいはNHKマイルCまで破竹の5連勝となったミッキーアイルが初めての古馬との対戦でどういった戦いを繰り広げるか、楽しみは尽きません。