2016-03-29 Tue
先週の中央競馬の開催はとかくスピードが強調される舞台となっていましたが、土曜日の夜に開催されていたドバイミーティングは日本の競馬文化と全く異なる風情があり、レーススタイルに関してはシビアかつ総合力の問われるものとなっていました。そういった中で日本馬が3頭出走していたUAEダービーをラニが制し、3着にも朝日杯フューチュリティSで4着になったユウチェンジが入ったことには大きな驚きと興味深さを感じるものがありました。今回のUAEダービーに関しては出走馬7頭となっており、この少頭数の構成に助けられた面も少なからずあったのではないかと睨んでいますが、いずれにしても日本馬のレベルはまだまだ青天井のように感じられ、もっと優れたものになるのではないかと考えています。今回の3歳戦チェックは、2016年クラシック世代のものとしては最後となりますが、クラシック前としては最後の重賞である毎日杯についてざっくりと語っていきます。
※毎日杯
1着・スマートオーディン(父ダノンシャンティ)
2着・アーバンキッド(父ハーツクライ)
3着・タイセイサミット(父ダイワメジャー)
2011年にフルゲートを経験し、その後も13頭以上のレースとして開催されてきた毎日杯ですが、今回は10頭立てのレースとなり、阪神競馬場がリニューアルされた2007年以降としては最も少頭数の開催となりました。そうした中で、上位5頭の走破時計が1分47秒台となり、上がり3ハロンでも33秒5を切るような高速ラップが刻まれる中、勝ったスマートオーディンの上がり3ハロンは32秒7と、初重賞制覇を果たした東京スポーツ杯2歳Sの上がり3ハロンよりも0秒2に速い脚を使い、走破時計も2秒以上詰めてきました。毎日杯の勝利からNHKマイルCをコースレコード(当時)で勝利した父を彷彿とさせるような成長ぶりを見せており、2016年クラシック世代の牡馬としては初めての重賞2勝馬となったことからも、スマートオーディンがNHKマイルCの最有力候補に躍り出たという趣がありますが、自身のキャリアで唯一前半600mの通過タイムが36秒0を割り込んだ共同通信杯では自慢の末脚を披露することなく敗れ去っており、ハイペースへの対応力が課題として残っていると言えます。一方で、スマートオーディンの牝系を見ていくと、昨年のドバイワールドCを制したプリンスビショップとは同族にあたりますが、プリンスビショップも出足が速いタイプではなかったことから、もう少し長い距離でも同じような形で戦えるならば、更なる躍進があっても不思議ではないと考えています。
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