2016-09-05 Mon
今年の夏は台風に見舞われることが多かった日本列島。土日のみ行われる中央競馬の開催には支障をきたすことはなかったものの、台風の進路となった箇所は大きな被害を受けているところもあり、それまでの災害等も合わせて一日も早い復興を祈念していきたい気持ちもあります。一方で、2歳戦に関してはまだまだ隠し玉が多く潜んでいそうな雰囲気があり、すんなりと序列を決めるわけにはいかないところがありますが、今回のこの記事では札幌、小倉で行われた二つの2歳重賞と、芝1800mの未勝利戦において派手な勝ち方をした馬を取り上げていこうと思います。
※札幌2歳S
1着・トラスト(父スクリーンヒーロー)
2着・ブラックオニキス(父ブラックタイド)
3着・アドマイヤウイナー(父ワークフォース)
2003年のモエレエスポワール以来の地方馬勝利となった今年の札幌2歳S。その上で、上位2頭は札幌芝1500mのオープン特別であるクローバー賞の結果を逆転させただけとなっていますが、2着にオープン勝ちのある馬を従えたケースは、開催時期が現行のものとなって最初の年である2012年と同じです。2012年の優勝馬であるコディーノは皐月賞までは3着以内率100%を誇っていたので、そういった意味では今回の優勝馬であるトラストが2017年のクラシックにおける主役級の1頭であることが窺えますが、今の開催時期となった2012年以降の優勝馬で3歳以降のレースを勝ち上がった馬が誰もいないのがネックであり、この辺りが次戦以降中央馬として走ることになるトラストにとっては試練となりそうです。
※小倉2歳S
1着・レーヌミノル(父ダイワメジャー)
2着・ダイイチターミナル(父コンデュイット)
3着・カシノマスト(父キャプテントゥーレ)
今夏の小倉開催の芝はそこそこに時計がかかるコンディションが続いていましたが、最終週にやや高速化し、この小倉2歳Sに関しては今夏の小倉芝1200m戦において4番目に速い決着となりました。その中で勝利を収めたレーヌミノルは2着馬に6馬身差をつける圧勝劇で、小倉2歳S史上最も2着馬に対して差をつけたレースになりました。小倉2歳S優勝馬の今後の活躍に関しては、芝1200m戦以外でどれだけ結果を残せるかにかかっているところがあるので、今回の結果だけで2歳女王候補として見立てるのは早計もいいところですが、ダイワメジャー産駒による小倉2歳S制覇は5年前のエピセアロームと同じであり、エピセアロームは後にセントウルSにおいてロードカナロアやカレンチャンを凌いで勝利を収めたことがあるので、ある程度将来性を高く評価しても良さそうな雰囲気があります。
※9月3日小倉芝1800m未勝利戦より、ナムラライラ
小倉最終週の芝の高速化は土曜日の第2レースに組まれていた芝1800mの2歳未勝利である程度窺い知れたのではなかろうと思いますが、このレースを勝ち上がったナムラライラは3コーナー時点で後方寄りのポジションに位置しながら、4コーナーでは先頭グループに取り付き、そこから後続を突き放して2着馬に4馬身差をつけるという強気の競馬を披露しました。母の妹が今年の5月に牡馬混合のオープン特別を勝ち上がったナムラアンで、そこそこ勢いのある血統であることが窺えますが、牝系自体は2005年の有馬記念優勝馬ハーツクライを輩出した名門牝系であり、その血に違わぬ走りを披露したという趣があります。また、ナムラライラはルーラーシップの初年度産駒の中で6頭目の勝ち上がりとなりましたが、1988年の凱旋門賞馬トニービンのクロスを持つ配合馬であり、今年の札幌2歳S優勝馬トラストをきっかけにブレイクしそうなサンデーサイレンスのクロス配合馬とどれほどの戦いを繰り広げていけるかどうかという部分でも注目していきたいところです。
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