2017-04-30 Sun
11年ぶりに1番人気馬が勝利した天皇賞【春】。それは同時に11年ぶりにレースレコードが更新されたレースとなり、そして史上4頭目となる連覇達成にもなりましたが、この記事ではそれら全てに触れていきながら話を進めていこうかと思います。1着・キタサンブラック(父ブラックタイド)
2着・シュヴァルグラン(父ハーツクライ)
3着・サトノダイヤモンド(父ディープインパクト)
(予想記事・2017年・八の予想 「第155回天皇賞【春】」(◎キタサンブラック))
※心技体全てを問われた一戦
2017年のラップタイム・12.9 - 11.5 - 11.2 - 11.3 - 11.4 - 11.6 - 11.6 - 13.0 - 12.5 - 12.7 - 12.6 - 12.5 - 12.2 - 11.6 - 11.7 - 12.2
2016年のラップタイム・13.0 - 12.1 - 12.4 - 12.2 - 12.1 - 12.0 - 11.6 - 12.9 - 12.6 - 12.6 - 12.7 - 12.5 - 11.6 - 11.4 - 11.7 - 11.9
2006年のラップタイム・13.0 - 11.7 - 11.5 - 11.9 - 12.2 - 12.2 - 12.0 - 13.2 - 12.6 - 12.7 - 12.9 - 12.7 - 11.3 - 11.0 - 11.2 - 11.3
2014年菊花賞のラップタイム・13.0 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 11.9 - 11.7 - 12.4 - 12.5 - 12.3 - 12.4 - 12.2 - 11.7 - 11.7 - 11.6 - 11.6
大外枠からの発走となったヤマカツライデンが大逃げを打ってきた今年の天皇賞【春】。勝ったキタサンブラックは悠然と2番手の内ラチ沿いに構えていきましたが、レース序盤で縦長になった馬群を活かして、逃げたヤマカツライデンのペースが緩んだところから密やかに前進気勢を見せていき、得意の総力戦に持ち込んでいきました。結果、キタサンブラックの直後で競馬してきたアドマイヤデウスが、終始5番手付近で競馬してきたシュヴァルグランやその直後につけてきたサトノダイヤモンドの2頭と最後の直線において壮絶な叩き合いを演じることとなりましたが、2周目の4コーナーで先頭に立ったキタサンブラックは背後で繰り広げられていた3頭の叩き合いを尻目に力強く抜け出しを図り、最後は2着に入ってきたシュヴァルグランに対して1馬身4分の1の差をつけて勝利を収めることとなりました。
さて、今回は昨年のラップタイムと2006年のラップタイム、そして菊花賞レコードである2014年の菊花賞におけるラップタイムを並べてみましたが、ラップの構成は違えど、2006年も2016年も、今年と同じように4コーナーで先頭に立っていた馬がそのまま勝利を収めることとなりました。それは、二度目の”淀の坂越え”において優れた走りを見せた馬に勝機が巡ってくるという天皇賞【春】の本質を表しているのではなかろうと思われますが、今回は古馬混合の芝3000m以上の重賞で勝利を収めてきた馬たちによるワンツースリーを達成しており、心技体を極めた優駿たちがその実力を存分に発揮していった史上最高の天皇賞【春】になったと言えます。
そして、今回の天皇賞【春】は3000mの通過タイムがレースレコードとなった2014年の菊花賞よりも0秒7速いものとなりましたが、3分1秒0がレースレコードとなっている菊花賞もまだまだ時計を詰める余地があるとも言え、菊花賞の走破時計が3分を切った時に、日本競馬の新たな形が見えてくるかもしれません。
◎・キタサンブラック(1着)
冒頭でも触れたように、史上4頭目となる天皇賞【春】連覇を達成したキタサンブラックですが、今回は2000年、2001年と連覇を果たしたテイエムオペラオーと同様に連覇を果たした年の方が速い時計で決着がついており、1年間で競走馬としてのレベルを大幅にアップさせてきたことが窺えます。欲を言えば、15番枠に振られたサトノダイヤモンドとは逆の枠で勝負を見たかった気もしなくはありませんが、このような話をしている時点で現役最強の座についているということを認めざるを得ないところであり、キタサンブラックを負かすことが容易ではなくなっているということでもあります。(単勝220円、複勝110円)
キルトクール・アルバート(5着)
今回掲示板に載ってきた馬の中では最も道中で後ろに位置していたアルバート。ポジションとしては中団より少し前にいたサトノダイヤモンドを見る形に位置していましたが、今回はキタサンブラックの近くで競馬が出来ていない時点で勝敗は決していた感じもあり、アルバート自身は4着のアドマイヤデウスに対して3馬身の遅れを取ってのゴールとなりました。完全に力負けと言わざるを得ない敗戦ではありましたが、戦前に二強と目された2頭を除けば3番手でゴールしており、現役屈指のステイヤーに恥じない走りはできていたように思えます。
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2017-04-30 Sun
レース発走まで残り5時間と迫った天皇賞【春】。”二強対決”の結末次第では、2006年のディープインパクト以来となる、1番人気馬による天皇賞【春】制覇がかかっていますが、そういったことにあまり縛られない形で予想を展開させていくことにしました。(展望記事・第155回天皇賞【春】の”三本柱” )
(参考まとめ記事・レース参考まとめ「第155回天皇賞【春】」)
【データルール1・展望記事で該当していたデータの項目番号を、印の横の「」内に記載】
【データルール2・[レ]のデータにおいて出走馬中3頭以下が該当するものであれば、そのデータに”下線”を、1頭のみのものは”【】”を加える】
1枠1番・シャケトラ(▲)「1・3」
+・6年連続3着以内入線馬を輩出している”父が有馬記念優勝馬で、自身が1年以内にG2以上の勝ち鞍を有している馬”[レ]、4年連続3着以内入線馬を輩出中の”前年下半期以降・準オープン以上のハンデ戦の連対馬”[レ]
-・日経賞を勝利した関西馬によるG1制覇は2001年優勝のメイショウドトウ以来なし[自]
日経賞を勝った関西馬は天皇賞【春】において2着になることが多く、この最内枠の利も考えれば、勝機もあると見て三番手評価です。
1枠2番・ラブラドライト(…)「1」
+・4年連続3着以内入線馬を輩出中の”前年下半期以降・準オープン以上のハンデ戦の連対馬”[レ]
-・年内のG2以上のレースを未出走としている馬による連対は2005年1着のスズカマンボ、同年2着のビッグゴールド以来なし[レ]
5つ下の弟に今年の皐月賞3着馬ダンビュライトがいる血統馬ですが、瞬間的な速さに欠けるところがあると見て評価を下げました。
2枠3番・キタサンブラック(◎)「2・3」
+・【4年連続優勝馬輩出中の”初めての芝2400m超の重賞で3着以内入線を果たし、かつ芝2000m重賞連対経験持ちの馬”[レ]】、4年連続優勝馬輩出中の”9月のオープンを勝ち上がっている馬”[レ]、5年連続連対馬輩出中の”芝2200mのオープンクラスを勝ち上がっている馬”[レ]、3年連続連対馬輩出中の”前年に芝3000m以上の古馬混合重賞で3着以内に入った馬”[レ]、6年連続3着以内入線馬輩出中の”菊花賞3着以内入線馬”[レ]
-・東京芝G1を勝ち上がってきた馬による優勝は2007年のメイショウサムソン以来なし[レ]
今までの実績の中でG1連勝のキャリアがないことが懸念材料ですが、他の部分では連覇に向けて盤石といった趣があり、大阪杯に続く本命を打つことにしました。
2枠4番・スピリッツミノル(…)「なし」
+・5年連続連対馬輩出中の”芝2200mのオープンクラスを勝ち上がっている馬”[レ]
-・【”芝2400m以上の勝利が1回以下、かつ芝2500m以上の重賞で3着以内に入ったことがない重賞未勝利馬”による連対は1989年優勝馬イナリワン、同年2着のミスターシクレノン以来なし[レ]】、”G1への出走経験を有しながら3着以内に一度も入ったことがなく、京都芝重賞で3着以内に入ったこともない馬”による連対は2004年優勝のイングランディーレ以来なし[レ]、国内G1出走歴がありながら3着以内に入った経験がない5歳以上の馬で前走4着以下だった馬による3着以内入線は平成においてなし[レ]
昨年11月に再びオープン馬となりましたが、スピード不足の感は否めず、無印です。
3枠5番・ファタモルガーナ(…)「なし」
+・3年連続連対馬輩出中の”前年に芝3000m以上の古馬混合重賞で3着以内に入った馬”[レ]
-・”G1への出走経験を有しながら3着以内に一度も入ったことがなく、京都芝重賞で3着以内に入ったこともない馬”による連対は2004年優勝のイングランディーレ以来なし[レ]、年内のG2以上のレースを未出走としている馬による連対は2005年1着のスズカマンボ、同年2着のビッグゴールド以来なし[レ]、国内G1出走歴がありながら3着以内に入った経験がない5歳以上の馬で前走4着以下だった馬による3着以内入線は平成においてなし[レ]
現役のディープインパクト産駒としては最もステイヤーな競走馬ですが、それゆえに天皇賞【春】向きの俊敏さには欠ける印象で、狙いから外しました。
3枠6番・シュヴァルグラン(△)「1」
+・5年連続3着以内入線馬輩出中の”芝3000m以上の重賞で3着以内入線の経験を持つ、有馬記念優勝馬の産駒”[レ]、3年連続連対馬輩出中の”前年に芝3000m以上の古馬混合重賞で3着以内に入った馬”[レ]、6年連続3着以内入線馬を輩出している”父が有馬記念優勝馬で、自身が1年以内にG2以上の勝ち鞍を有している馬”[レ]、4年連続3着以内入線馬を輩出中の”前年下半期以降・準オープン以上のハンデ戦の連対馬”[レ]
-・【G1未勝利馬かつ前走阪神大賞典2着馬による3着以内入線は2005年3着のアイポッパー以来なし[レ]】、阪神大賞典で2着、または3着に敗れた馬による3着以内入線は2007年3着のトウカイトリック以来なし[レ]
昨年の本命馬は今回3着候補の1頭として残すことにしましたが、馬群がばらけるようであれば、上位進出のチャンスは上がると見ています。
4枠7番・アルバート(キルトクール)「1」
+・3年連続連対馬輩出中の”前年に芝3000m以上の古馬混合重賞で3着以内に入った馬”[レ]、4年連続3着以内入線馬を輩出中の”前年下半期以降・準オープン以上のハンデ戦の連対馬”[レ]
-・”G1への出走経験を有しながら3着以内に一度も入ったことがなく、京都芝重賞で3着以内に入ったこともない馬”による連対は2004年優勝のイングランディーレ以来なし[レ]、年内のG2以上のレースを未出走としている馬による連対は2005年1着のスズカマンボ、同年2着のビッグゴールド以来なし[レ]
ライアン・ムーア騎手とのコンビで3回全ての重賞勝利を収めてきたとはいえ、昨年のアルゼンチン共和国杯において戸崎圭太騎手を乗せて2着に来ているところを見ると、日本人騎手とのコンビでもG1で好走のチャンスがあるようにも思えなくはありません。しかし、血統的にG1では少し足りないところがあるように思われ、今回のレースにおいても結局のところ3着以内に入るのは難しいと見て、キルトクールに指名することとなりました。
4枠8番・タマモベストプレイ(…)「1」
+・4年連続3着以内入線馬を輩出中の”前年下半期以降・準オープン以上のハンデ戦の連対馬”[レ]
-・国内G1出走歴がありながら3着以内に入った経験がない5歳以上の馬で前走4着以下だった馬による3着以内入線は平成においてなし[レ]
2走前に3000m戦を勝ち上がってきましたが、今までの実績から見てもG1では足りないところがあると見て、評価を下げています。
5枠9番・ディーマジェスティ(△)「2」
+・4年連続優勝馬輩出中の”9月のオープンを勝ち上がっている馬”[レ]、5年連続連対馬輩出中の”芝2200mのオープンクラスを勝ち上がっている馬”[レ]、6年連続3着以内入線馬を輩出している”父が有馬記念優勝馬で、自身が1年以内にG2以上の勝ち鞍を有している馬”[レ]
-・皐月賞を1分59秒0以内で勝利した馬による4歳時のG1制覇はなし[自]
やっと訪れた伏兵的評価からの逆襲の機会。21世紀における淀の長距離王である蛯名正義騎手を背にしていることが強力な武器であり、3着候補の1頭として考えています。
5枠10番・アドマイヤデウス(…)「3」
+・3年連続連対馬輩出中の”前年に芝3000m以上の古馬混合重賞で3着以内に入った馬”[レ]
-・前走日経賞3着以下でG1未勝利馬による3着以内入線馬は2007年2着のエリモエクスパイア以来なし[レ]
G1実績が(0-0-0-9)では、とても狙える馬ではないと判断しました。
6枠11番・プロレタリアト(…)「なし」
+・4年連続3着以内入線馬を輩出中の”前年下半期以降・準オープン以上のハンデ戦の連対馬”[レ]
-・”G1への出走経験を有しながら3着以内に一度も入ったことがなく、京都芝重賞で3着以内に入ったこともない馬”による連対は2004年優勝のイングランディーレ以来なし[レ]、年内のG2以上のレースを未出走としている馬による連対は2005年1着のスズカマンボ、同年2着のビッグゴールド以来なし[レ]、国内G1出走歴がありながら3着以内に入った経験がない5歳以上の馬で前走4着以下だった馬による3着以内入線は平成においてなし[レ]
今回のレースにおける紅一点となりましたが、ここまでのキャリアからして力不足の感は如何ともしがたいところがあります。
6枠12番・ゴールドアクター(…)「2・3」
+・4年連続優勝馬輩出中の”9月のオープンを勝ち上がっている馬”[レ]、5年連続連対馬輩出中の”芝2200mのオープンクラスを勝ち上がっている馬”[レ]、6年連続3着以内入線馬輩出中の”菊花賞3着以内入線馬”[レ]
-・有馬記念を古馬になってから初勝利を収めた馬によるその後のG1勝ちがあるのは、2000年の有馬記念優勝馬であるテイエムオペラオー以来なし[自]
日経賞の内容からさすがに衰えを感じるところであり、速さ勝負で二強に敵うとは思えないところから無印評価です。
7枠13番・トーセンバジル(…)「なし」
+・4年連続3着以内入線馬を輩出中の”前年下半期以降・準オープン以上のハンデ戦の連対馬”[レ]
-・阪神大賞典で2着、または3着に敗れた馬による3着以内入線は2007年3着のトウカイトリック以来なし[レ]
前走阪神大賞典3着の内容は優秀なステイヤーとしての資質を垣間見た思いがありますが、G1で好走できるレベルとは思えなかったことから、無印評価です。
7枠14番・ワンアンドオンリー(…)「2」
+・4年連続優勝馬輩出中の”9月のオープンを勝ち上がっている馬”[レ]
-・【前年の国内G1で一度も3着以内がなかった過去のG1馬は連対なし[レ]】、東京芝G1を勝ち上がってきた馬による優勝は2007年のメイショウサムソン以来なし[レ]
過去2回出走した3000m戦の内容から、天皇賞【春】における好走を望むのは酷と見ました。
8枠15番・サトノダイヤモンド(○)「1・2」
+・5年連続3着以内入線馬輩出中の”芝3000m以上の重賞で3着以内入線の経験を持つ、有馬記念優勝馬の産駒”[レ]、4年連続優勝馬輩出中の”9月のオープンを勝ち上がっている馬”[レ]、6年連続3着以内入線馬を輩出している”父が有馬記念優勝馬で、自身が1年以内にG2以上の勝ち鞍を有している馬”[レ]、6年連続3着以内入線馬輩出中の”菊花賞3着以内入線馬”[レ]
-・【”菊花賞と有馬記念を連勝した上で年明け初戦が阪神大賞典だった馬”は(0-0-0-3)[レ]】
連覇を目指すキタサンブラックを負かす候補としては最有力の存在ですが、二強対決で着外に沈む可能性が高いのもこの馬と見て対抗評価に据えることにしました。
8枠16番・レインボーライン(…)「なし」
+・6年連続3着以内入線馬輩出中の”菊花賞3着以内入線馬”[レ]
-・前走日経賞3着以下でG1未勝利馬による3着以内入線馬は2007年2着のエリモエクスパイア以来なし[レ]
昨年下半期の走りを見る限りでは、4歳世代ではトップクラスの中距離馬といった趣がありますが、前走の内容が芳しいものとは思えず、今回のレースに向けて強調材料があるわけでもないことから、無印として扱います。
8枠17番・ヤマカツライデン(…)「2」
+・4年連続優勝馬輩出中の”9月のオープンを勝ち上がっている馬”[レ]、4年連続3着以内入線馬を輩出中の”前年下半期以降・準オープン以上のハンデ戦の連対馬”[レ]
-・前走日経賞3着以下でG1未勝利馬による3着以内入線馬は2007年2着のエリモエクスパイア以来なし[レ]
勝負馬として狙える馬ではありませんが、今回のレースにおける逃げ馬と目されている存在でありながら大外枠に入ってしまい、これがレースの展開にどのような影響を及ぼしていくのかは気になるところです。
単勝
キタサンブラック
馬連
キタサンブラック-シャケトラ
馬単
サトノダイヤモンド→キタサンブラック
ワイド
キタサンブラック-ディーマジェスティ
三連単
キタサンブラック→シャケトラ→ディーマジェスティ
サトノダイヤモンド→キタサンブラック→ディーマジェスティ
☆勝負のワンツースリー
キタサンブラック→シャケトラ→シュヴァルグラン
テーマ:中央競馬(JRA)予想 - ジャンル:ギャンブル
2017-04-29 Sat
金曜日発売では内枠のキタサンブラックが1番人気に推されていたのに対し、前日発売終了時点ではサトノダイヤモンドが1番人気に支持されていた今年の天皇賞【春】。”二強対決”の人気争いに関しては、最後の最後までもつれそうな雰囲気がありますが、3分20秒ほどで決着がつくレースでは、どんな戦いぶりを見せてくれるのでしょうか。今回は過去3年の天皇賞【春】における予想&回顧記事に加え、昨年の菊花賞以降におけるキタサンブラックとサトノダイヤモンドが勝ち上がってきた重賞の回顧記事、そして、今年の出走馬が勝ち上がってきた重賞の回顧記事等を参考記事としてピックアップしていきます。
(第155回天皇賞【春】の参考記事)
2014年・十三の予想 「第149回天皇賞【春】」 (◎キズナ)
名脇役が主役となれる舞台 第149回天皇賞【春】回顧
2015年・十二の予想 「第151回天皇賞【春】」(◎アドマイヤデウス)
解放 第151回天皇賞【春】回顧
2016年・十の予想 「第153回天皇賞【春】」(◎シュヴァルグラン)
師匠 第153回天皇賞【春】回顧
圧巻 第77回菊花賞回顧
百戦錬磨 第36回ジャパンC回顧(一部修正有)
追跡・キタサンブラック 「日本競馬の大将」
傑作 第61回有馬記念回顧
追跡・サトノダイヤモンド 「道半ばの輝き」
先週の芝三重賞回顧
3月3週の四重賞回顧
高松宮記念以外の三重賞回顧
追跡・スーパークリーク 「初代・平成の盾男」
【1着VS4着】 第61回大阪杯の回顧
追跡・特別編 「マヤノトップガンVSサクラローレルの1997年天皇賞【春】」
第155回天皇賞【春】の”三本柱” 【一部追記有】
2017-04-29 Sat
連覇を狙うキタサンブラックが2枠3番、G1レース3連勝を狙うサトノダイヤモンドが8枠15番に入った今年の天皇賞【春】。金曜日発売終了時点でキタサンブラックが単勝1倍台で1番人気に支持されていましたが、天皇賞【春】において優位に立てるデータをこの記事では書き連ねていきます。(昨年の展望記事・第153回天皇賞【春】の”三本柱”)
1・長距離戦の王
父子三代天皇賞制覇を果たしたメジロマックイーンが最初に勝利した1991年から四半世紀以上にわたって3着以内入線馬を輩出し続けているのが”年内の芝2500m以上のレースで連対実績を持つ馬(◎)”。その中で、”クラシックで3着以内に入った経験を持っている馬(※)”か、”クラシック未出走馬(◇)”が結果を残し続けています。
(◎※…10頭)
(◎◇…3頭)
2・菊の移動に伴い…
菊花賞が10月開催に移って最初のクラシック世代が参戦可能となった2001年から毎年3着以内入線馬輩出をしているのが”9月の国内戦に勝利経験がある馬(※)”です。
(※…9頭)
3・東の坂越えの実績
菊花賞と同様に”淀の坂越え”を2回行うレースである天皇賞【春】ですが、この天皇賞【春】においては中山競馬場の重賞で実績がある馬が結果を残すことも多く、”1月から3月までの中山重賞勝ち馬(※)”による連対馬の輩出が11年続いています。
(※…5頭)
☆昨年の上位3頭
1着・キタサンブラック(2・3に該当)
2着・カレンミロティック(2に該当)
3着・シュヴァルグラン(1に該当)
2009年から2016年にかけてフルゲート18頭立てのレースになったことが7回ある天皇賞【春】。今年は2015年と同じ17頭立てのレースとなりましたが、この8年間において勝利を収めた枠番を見ていくと、5枠より外の馬が勝ったケースが2010年の1回だけなのに対し、1枠の馬が5勝と、完全に内枠有利のレースとなっています。そういった意味では、2枠3番に入ったキタサンブラックの連覇はかなり現実味を帯びたものとなってきましたが、7枠から外の馬による2着は4回あり、2着以下についてはフラットな考え方で予想をした方が良いかもしれません。
☆今年の出走馬とデータマッチ
※1に該当
・年内の芝2500m以上のレースで連対実績を持つ馬(◎)
アルバート、サトノダイヤモンド、シャケトラ、シュヴァルグラン、タマモベストプレイ、ラブラドライト
・(◎)かつ、クラシックで3着以内に入った経験を持っている馬
サトノダイヤモンド
・(◎)かつ、クラシック未出走馬
アルバート、シャケトラ、シュヴァルグラン、ラブラドライト
※2に該当
・9月の国内戦に勝利経験がある馬
キタサンブラック、ゴールドアクター、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティ、ヤマカツライデン、ワンアンドオンリー
※3に該当
・1月から3月までの中山重賞勝ち馬
アドマイヤデウス、キタサンブラック、ゴールドアクター、シャケトラ
※該当なし
スピリッツミノル、トーセンバジル、ファタモルガーナ、プロレタリアト、レインボーライン
2017-04-27 Thu
先週はG1の開催が一段落ついた週となりましたが、日曜日には勝てば次のG1への優先出走権が得られる重賞が東西で行われていました。開幕週の馬場に対してどう向き合うのかについても問われる舞台にもなりましたが、この記事では日曜日に行われた東西の二つの重賞について振り返っていきます。※第48回マイラーズC
1着・イスラボニータ(父フジキセキ)
2着・エアスピネル(父キングカメハメハ)
3着・ヤングマンパワー(父スニッツェル)
ラップタイム・12.4 - 11.2 - 11.7 - 12.1 - 11.4 - 11.3 - 10.8 - 11.3
出走頭数が11頭と、現行の京都開催となってからは最も少頭数で行われることになった今年のマイラーズC。2年前のレースで逃げ粘って2着に入ったサンライズメジャーが逃げる展開となる中で、前半800mの通過が47秒4と落ち着いた入りになりましたが、3コーナーからの下り坂から一気のペースアップが図られ、後半800mの44秒8は、2014年にワールドエースがレコード勝ちした時と同じ走破時計となりました。
こうした中で勝利を収めたイスラボニータは、2014年のセントライト記念以来となる重賞勝ちを収めましたが、ここ3戦続けて2着に敗れている中での勝利ということもあり、近走実績が問われる安田記念に向けては良いステップになったと言えます。
※第52回フローラS
1着・モズカッチャン(父ハービンジャー)
2着・ヤマカツグレース(父ハービンジャー)
3着・フローレスマジック(父ディープインパクト)
ラップタイム・13.0 - 12.1 - 12.0 - 11.8 - 12.6 - 12.8 - 12.3 - 11.5 - 11.2 - 12.0
道中2番手でレースを進めたハービンジャー産駒と1枠1番のハービンジャー産駒でワンツーフィニッシュとなった今年のオークストライアル・フローラS。勝ったモズカッチャンはデビュー戦こそ6着で敗れたものの、その後3着、1着、1着としており、このフローラSにおいては12番人気の伏兵的評価でありながら見事に3連勝を飾ることとなりました。そのモズカッチャンは、血統的にはサンデーサイレンスの血が全く入っていない一方で、Danzigとノーザンダンサーのクロスを有しており、ラスト1ハロンの伸び脚は血統が為した業とも思えるものでした。
その上で、フローラSの内容からオークスの展望を行うのはなかなか難儀なことのようにも思えますが、仮に今回の上位2頭がオークスでも好走した場合は、日本ダービーにおいて同じハービンジャー産駒のペルシアンナイトへの評価は高まるばかりと言えそうです。